乙女座30度
「目の前の業務に集中していたので、
間違い電話にも気づかなかった」
です。
このシンボルは、私の毎日の
シンボル解説でご紹介しているので
まずそれを転載します。
「これは完全に外界に気を取られる事なく
集中して、没頭している状態を暗示して
います。
つまり外界が雑音などで意識を乱そう
としていても、それを完全にシャット
アウトできている状態だという事です。
これから天秤座に入る直前の乙女座の
最後の度数では、とうとう五感で感知
できる現実の世界に囚われなくなった
強い意識が完成しているという事です。
これにより、個人や生命としての完成
を達成した乙女座が、宇宙意識の目覚め
としての天秤座に移行する準備ができた
ということなのです。」
というわけで、この天秤座直前の乙女座
30度では、次の天秤座の宇宙意識の
影響を強く受けて、現実世界には囚われ
ない集中力を得たという事を説明して
います。
さてこれに対して松村潔氏の解釈を見て
いく事にしましょう。
サビアンシンボルのエネルギーのみを
解釈する私と違って、松村氏と直居氏
は個人としての影響を解説しておられ
ます。
個人的な影響については、私は「あなたの
~座」で解説しています。
「」内が引用で、~が中略です。
「意味のわかりにくいシンボルですが、
目の前の用事に集中して「間違い
電話には、気を取られなかったという
意味に考えられます。
ルディアはこれを「急ぎの仕事を
片付けることに専念しているために、
男はどんな誘惑にも耳を傾けない」と
言い替えました。
乙女座29度で内面を抑圧せずに、
自分が感じることを素直に信頼できる
ようになり、乙女座の歴史はほぼ
終わりました。
乙女座は自身の内面的な実感を押し
殺し、乙女座2度“掲げられた大きな
十字架”で、公共的な価値観の「十字架」
に語らせるという生き方をしてきました。
それは科学であったり、常識と思い
こんでいるステレオタイプ的な考え
でした。
土のサインの「土」とは、かつて生き生き
としていた精神活動の形骸化された姿です。
自分をこの牢獄から解放するチャンスが
巡ってきたのに、30度では一つのことに
集中していて、間違い電話や周囲の状況に
まったく耳を貸しません。~
~つまり乙女座の最後の崖っぷちで
これまでの乙女座的な姿勢を捨てきれず、
まだこだわっている姿がこのシンボルから
連想されます。」
“出典:「決定版!!サビアン占星術」
松村潔 著
Gakken刊”
松村潔氏は、とても乙女座にネガティブ
なイメージを持っておられるようですね。
つまりは自由な精神的活動が、公共的な
価値観の前に自らの意志により抑圧
されていると。
それを牢獄という言葉で表現されて
いますが、私は、乙女座について
で説明しているように、自己の完成形
として、とてもポジティブなエネルギー
を持つサインだと解釈しています。
感性も豊かで、知性も高く、何より
自らの意志を核に持っているので、
とても強い性質となっているのです。
ただ、客観的に自分を捉える事ができて
しまうために、まわりの状況や、社会性
などに合わせて、外界と調和しようとする
ため、自らを抑圧しているように見える
だけだと思っています。
つまり自分を待っているために守ろうと
しているという事です。
むしろ自分を持たず、集団の意識や社会の
意識に従おうとしている、蟹座や山羊座の
方により、意識の制限的な感覚を持ちます。
ただそれらのサインは、逆にまわりや
社会から恩恵も受ける事ができるので、
そういう意味では、運気も良く豊かな
人生にもつながりやすいというメリットも
あります。
ただ個人の意識としての豊かさという点
では、乙女座やその後の天秤座の意識
に及ばないものという見方をして
います。
そして松村氏は、このシンボルを高次の
意識の天秤座に移行する直前で良い
影響を受けとっているのではなく、
ここで足止めを食らったように、迷い、
停滞しているという解釈をしておられる
という事です。
さて、それでは直居あきら氏の解釈を
見ていきましょう。
「」内が引用で、~が中略です。
またシンボルはディーンルディヤ氏の
意訳によるものです。
「ヴァーゴ三〇度
「急ぎの仕事に完全に集中しきっている
ため、どんな誘惑にも耳を貸さない人」
シンボル課題
【個の完成となるテーマ・運命的に
自分がしなければならないことへの
集中・幻想の克服】
このディグリーの人はこの人生で、
どうしてもしなければならないことを
持って生まれている。
それは生まれる前に決めてきたことだが、
幾つかの輪廻における周期的な課題と
いえる。
そうしたテーマが現実に出現してきた時
は、当然のことだが、この人は全面的に
それに集中しなければならず、そうしない
とこの人生の意義は失われる
(D・ルディヤー)という。
だがアストラル体は人間の全てを動かして
いるものだから、人はそうしたテーマが
出てくれば、それに間違いなく集中する
だろう。~
~こうしたテーマに取り組む時、この人
は、他の人より能力を発揮するし、脚光を
浴びることがある。~
~強く運命に従う人生であり、それまでの
過去にこだわらないことが奨められる人生
でもある。」
“出典:「定本サビアン占星学」
直居あきら著
魔女の家®BOOKS刊”
今回は、この直居氏の解釈の方が私のと
近いように思えます。個の完成という乙女座
の性質もやはり最初に書いておられますね。
そしてやはり霊的な目的のために、集中
しようとしているポジティブなイメージ
としても捉えていますので、私と共通した
解釈である事が見てとれます。
アストラル体というのは、つまり魂の
ようなものだと考えていただければいい
でしょう。つまり天秤座が霊的に領域に
移行するサインなので、その意識に
従って行動しようとしているというわけ
です。
さていつものように、サビアンシンボルの
原典の著者であるマーク・エドモンド・
ジョーンズ氏のこのシンボルの
キーワードを紹介しましょう。
キーワードは
「保護手段」
です。
これは、今回の三者すべてがあてはまる
柔軟な言葉ですね(^^)💦
自分を保護するために、立ち止まり迷う
という解釈をされている松村氏の解釈も
表現できているし、また私や直居氏のよう
に、自己の霊的な意識に集中するために
雑念から、自分を保護しようとしている
という解釈にもあてはまります。
というわけで今回も有意義な比較が、
できたと思います。
ではまた(^^)/